歯間乳頭の消失と再生
歯間乳頭(歯間部歯肉)の消失と再生
歯間乳頭消失症例を再生を審美回復行った症例の術前術後
歯間乳頭とは歯と歯の間の部分の歯肉の事である。これを喪失すると、前歯部であれば審美性に問題が生じます。これを歯科界ではブラックトライアングと言います。これが臼歯部であれば食事の度に食物が入りやすくなり不快感が起こります。この喪失の原因は歯周病による場合と、矯正治療などで歯と歯の位置を広げることで起きる場合と、不適切なセルフケア(歯間ブラシやフロスのしすぎ)、で起こる場合があります。また、クラウンやブリッジの補綴処置でも起こる場合があります。歯間乳頭の消失と再生について、いくつかの症例で解説します。
症例①:前歯抜歯後のブリッジで生じたブラックトライアングル
左上前歯1本が折れて抜歯となり、ブリッジを計画した。
左上前歯を抜歯。その後セラミックブリッジを装着。装着時の状態で歯間乳頭の喪失(ブラックトライアングル)が確認できる。
ブリッジをを装着から1年後の状態、適正なセルフケアをすることでブリッジ歯間の歯肉は再生してきている。
症例②:歯周治療により生じた歯間乳頭が消失。その後適正なセルフケアを10年間行った症例
中等度の歯周病があり、臼歯部に歯間乳頭の消失が起きている。
歯周治療後10年経過時、正しい清掃を行い続ける事で、臼歯部に消失した歯間乳頭が再生できている。
症例③:歯周病治療により喪失した歯間乳頭を歯の挺出により再生させた症例
他医院で歯周治療を受けて、「歯間乳頭が消失した」と来院。
矯正的な挺出を行い、歯間乳頭を再生を行った。
治療後の状態、歯間乳頭を引き上げ後に上顎前歯部4本にセラミック修復を行った。