放置された虫歯の治療
虫歯を放置してきて、今回治療をお考えの方へ5つ のアドバイス
上の写真の様に、多数の虫歯を放置してきた放置してきた方の多くは、いままで特に痛みもなかった、食事にも不自由がなかった、子供の頃から歯科治療に恐怖感があったという理由で長らく虫歯を多数放置してきて、見た目に気になり出し、または、将来に不安を抱え治療をお考えになる多いです。
写真の症例は診査・診断後治療計画を立て、治療を行いました。上顎前歯部はセラミッククラウンにて修復、臼歯部は一部インプラントを用いて治療を行いました。1年半後には、昔の状態を思い出せないくらい綺麗になりました。
虫歯の治療は確立しております。麻酔やマイクロスコープ、レーザー、など歯科治療器具の進歩で治療の痛み、ストレスも大きく軽減できております。また、接着技術やセラミックスなどの歯科材料の進歩でより確実で、より美しい結果が得られれます。当たり前ですが、怒られる事もありませんし、恥ずかしくなる事はありません。まずは歯科医院へ行き相談してみてはいかがでしょうか。
虫歯を放置してきて、今回治療をお考えの方へ、5つのアドバイス
①虫歯にさせない、知識を持とう!
②治療のゴールを設定しよう!
③歯の神経を残そう!
④リズムよく治療しよう!
⑤治療後は定期的メンテナンスを受けよう!
①虫歯にさせない、知識を持とう!
参考症例1 治療前の状態:歯科医院に10年以上虫歯治療を受けてきたが、歯を喪失してしまった症例
症例1の患者様は子供の頃から虫歯が多くあり、歯科医院に子供の頃から歯科医院に10年以上通っていたそうです。治療を受けてきたにも関わらず、虫歯はでき、神経をとり、やがて抜歯となり歯を喪失されたそうです。どうして、この様な結果になったのでしょうか?
虫歯は虫歯菌が糖を代謝して歯を脱灰して起こります。この症例の方は甘い食べ物の間食が多く、それをコントロールをされないまま、治療をし続けた結果、治療を続けてきたにもかかわらず、虫歯で歯を喪失しまったのです。虫歯を削り埋めたり、かぶせたり、する治療も大事ですが、虫歯の原因を除去する事が大切です。つまり、治療していく上で最初にすべき事は虫歯の原因である糖の摂取の改善です。
虫歯が多く出来る方の共通点は糖の接収回数が多いです。だらだらと甘い食べ物(チョコレート、飴、お菓子など)や甘い飲み物(缶コーヒー、コーラなど)を摂取しています。まずは糖の摂取回数を少なくコントロールがしましょう。
②治療のゴールを設定しよう!
参考症例1 治療後の状態:治療期間1年4ヶ月
症例1の患者様はセラミッククラウンと上顎にインプラント3本を用いて治療期間1年4ヶ月を要して治療を行いました。多数の虫歯があれば、やはり治療期間はかかります。長期にも予定通り治療を完結できたのは、治療のゴールを設置して、そのゴールに近づいているのを感じて治療できたからだと思います。先の見えない治療は誰しもが嫌になってしまいます。治療のゴールを設定する事で、目標が明確化しモチベーションが保てます。また、治療ゴールがある事で効率的な治療が行え、治療期間、治療回数を減らす事ができます。
長期に虫歯を放置した場合、どうしても抜歯しなければならない歯がある場合が多いです。抜歯後は欠損補綴(インプラント、ブリッジ、入れ歯、歯に移植)から治療オプションの選択になります。この選択は、その患者様の要望と、欠損の状態と他の歯の状態、かみ合わせ状態なども関わり、簡単ではありません。担当歯科医をよく話し合い、各治療の利点欠点を理解して選択する事が大切です。
③歯の神経を残そう!
虫歯を多数放置してきた症例において、虫歯の進行が大きいという事から安易に歯髄という歯の神経を取られる傾向があります。歯を長期に維持する上で、歯の神経(歯髄)がある事がとても重要です。神経のない歯は血液循環がなくなり、歯自体が死んだ歯になります。それゆえ、将来的に歯根管の感染や歯根破折といった事が起こりやすく、抜歯となるリスクが高まり歯の寿命が短くなります。また、歯髄を保存することで治療回数を減らす事ができます。安易に歯髄を取るのを避け、できる限り歯髄の保存を考えましょう。
参考ページ 歯の神経(歯髄)を残す方法:生活歯髄切断&直接歯髄覆罩法
④リズムよく治療しよう
治療のゴールが決まり、一度治療がスタートとしたら、リズムよく治療を進めましょう。このリズムが治療成功には重要です。一度立ち止まると、そこからの再スタートは大きなエネルギーを要します。行き当たりばったりの治療ではなく、治療のゴールを設置して計画立てた治療順序のもとにリズム良く治療を進めましょう。それにより、治療の進む喜びを感じる事ができます。
⑤治療後は定期的検査とメンテナンスクリーニングを受けよう!
参考症例2 全顎的な治療を2001年に行う、治療直後の状態。下顎の前歯部以外はすべてクラウン処置がされている。
参考症例2 メンテナンスクリーニングを受け治療後18年経過時の状態
治療終了後の定期的検査とメンテナンスクリーニングは治療の長期性にとても重要です。毎日使って、永遠に壊れない物はありません。車だって、自転車だって、毎日乗ればどこかに必ずガタがきます。長く乗るには、毎日の手入れと定期的メンテナンスは必要不可欠です。症例2の患者様は2001年に全顎的な治療を行いました、その後6ヶ月に1回のメンテナンスクリーニングと1年に1回の定期検診をされて(一部歯根破折から抜歯となった部位はあるものの)18年維持しています。長期に健康状態を維持するために、治療後には検診とメンテナンスクリーニングを受けましょう!