セラミック修復
セラミック修復
セラミック修復とは
セラミック [ceramic]とは、一般に無機物質を原料として熱処理によって得られる陶磁器、窯業製品の事を言います。歯科で用いられるセラミックも無機質を原料とし熱処理され作られます。
近年において、このセラミックの製造の研究開発が進み、歯科用CAD/CAM (Computer aided design/Computer aided manufacturing milling)などの技術も導入されてより優れた強度と耐久性のセラミックが製造できるようになりました。また、セラミックと歯質を接着させる技術も向上したことでセラミック修復の信頼度が高まり、現在の臨床においてセラミックは第一番目の選択枝になりました。
セラミック修復 クラウン
虫歯が大きくなり、歯全体をかぶせる必要がある場合や神経を取っている歯を修復する場合、歯の方向を変更して修復する場合対して行われるのがクラウン処置です。 この際に用いられるセラミックのクラウンには材質は2つあります。1つは金属のフレームにセラミックを焼き付けたメタルセラミッククラウン、メタルボンド、ポーセレン、PFMなど呼ばれるものと、金属は使わずにすべてセラミックでつくるオールセラミッククラウンと呼ばれるものです。 メタルセラミッククラウンとオールセラミッククラウンの審美的違いは以下の通りですが、どちらも治療法でも十分な審美回復は行えますし、長期に渡り変色などは一切起こしません。適合や強度などの機能的にも、ともに十分な水準です。
オールセラミック クラウン
【構造】
・すべてがセラミックで出来ているため、自然な透明感を再現できる。
その反面、変色が強い黒暗色の歯には適応できない。
・歯との接合部にフレームのブラックラインが出にくい。
【症例】
▼術前
上顎前歯部の変色歯1本をオールセラミッククラウン(e-maxを使用症例)にて修復。
▼術後
多少変色していたが、天然歯同様の自然観を再現できた。
【治療費】
前歯:16万円/1本、臼歯:13万円/1本
治療リスク:歯ぎしりなどの異常な咬合力がかかった場合、セラミックが欠ける、割れる、脱離する事があります。
メタルセラミック クラウン
【構造】
・金属のフレームにセラミックを焼き付けつるため自然な透明感に若干かける。
その反面、変色した歯、金属の土台が入った歯にも適応できる。
・歯との接合部に金属フレームのブラックラインが出てしまう。
・歴史のある材料で信頼性は高い。
【症例】
▼術前
上顎前歯部2本をメタルセラミッククラウンにて修復。
▼述語
若干透明感に欠けるものの十分に審美性を回復できた。
【治療費】
前歯:16万円/1本、臼歯:13万円/1本
治療リスク:歯ぎしりなどの異常な咬合力がかかった場合、セラミックが欠ける、割れる、脱離する事があります。
ジルコニアセラミック クラウン
【説明】
近年、セラミックで強度が非常に強く審美的なフレームができるようになりました。その材料名はジルコニアです。ジルコニアは白くて強度もあるので、今までできなかっオールセラミッククラウンのブリッジができるようになりました。また、最近のジルコニアフレームは適度な蛍光性と透過性を持つので変色した歯の色を隠すこともできて、かつ明るく審美的なものになりました。
推奨症例: 高い審美性を要求する変色歯症例、高い審美性を要求するブリッジ症例、
【症例】
1、術前、前歯1本は重度歯周病で抜歯となった
2、ジルコニアフレームのクラウンとブリッジ
3、ブリッジとクラウンを装着する直前
4、術後、ジルコニアブリッジとクラウンが装着した状態
→3M社のジルコニアフレーム(LAVA)を使用した症例
【治療費】
前歯:16万円/1本 臼歯13万円/1本
治療リスク:歯ぎしりなどの異常な咬合力がかかった場合、セラミックが欠ける、割れる、脱離する事があります。
セラミック修復 インレー
小さい虫歯や歯と歯の間に出来た虫歯に対して、虫歯除去後、型とりをして、セラミックのつめ物(インレー)を製作して、歯に接着させる治療法。
【術前】(小臼歯症例)
歯と歯の間に出来た虫歯が認められる。虫歯部分をを完全除去して、型とりを行う。
技工所で製作されたセラミックインレー
【術後】
セラミックインレー装着時
【治療費】
6万円/1本(小さい窩洞) 10万円/1本(口頭を含む大きな窩洞)
治療リスク:歯ぎしりなどの異常な咬合力がかかった場合、セラミックが欠ける、割れる、脱離する事があります。
セラミック修復 アンレー
虫歯の範囲が大きく、つめ物(インレー)では対応しきれない場合、かみ合わせを改善する場合などに対して、歯の噛む面だけを削り型とりしてセラミックの部分的なかぶせ物(アンレー)を製作して、歯に接着させる治療法。
【術前】(大臼歯症例)
インレーでは対応できない広範囲な虫歯が銀歯の下に認められる
技工所で製作されたセラミックアンレー
【術後】
セラミックアンレー装着時
【治療費】
13万円/1本(消費税別)
治療リスク:歯ぎしりなどの異常な咬合力がかかった場合、セラミックが欠ける、割れる、脱離する事があります。
セラミック修復 ラミネートベニア
歯の表層部だけを削り、ベニア状のセラミックを接着させる方法で主に前歯に用いる。 治療のメリットは削除量が少なく、薄いセラミックを張り付ける事で自然な審美性回復(特に形態の回復)が容易にでき、非常に高いレベルでの審美性がえられる。歯のエナメル質と接着させることで十分な強度が得られる。
欠点は削除量が少ないので、もともとの歯の色調に影響をうけやすい。それゆえ、変色歯に対して完全な色調の回復には不向きである。
1、術前の状態。
1本1本の歯は微妙に捻転して、形態は三角形状でテーパー(角度)がきつい。
2、歯の表層部であるエナメル質を残して歯を削る。
3、印象をとって、仕上がったラミネートべニア セラミック
4、術後の状態。
前歯3本をラミネートベニヤで修復。
歯のねじれも改善、もともと三角形がきつかった形態は自然な形態に改善、色も白すぎず透明感があり高いレベルで審美回復できた。
【治療費】
前歯:16万円/1本
治療リスク:歯ぎしりなどの異常な咬合力がかかった場合、セラミックが欠ける、割れる、脱離する事があります。