いまどきの前歯部ブリッジ
いまどきの前歯部ブリッジ《7つの進化》


いまどきの前歯ブリッジ症例①:ブリッジのフレーム材料に以前はメタルを使っていたが、近年はジルコニアフレームを使用。それにより透明感があり自然な色調が表現出来るようになった。ジルコニアフレームは日々進化し続けており、より強度があり、チッピングに強いフレームとなった。ジルコニアフレームを使用することでプラークも付きにくくなり清掃性も向上している。


参考症例《ひと昔前の前歯部ブリッジ》:フレーム材料にメタルを使用、それにより不透明な色調、セラミックのチップが起こしやすいフレームデザインであった。抜歯部位に対する配慮がなく自然観がなく、空気が漏れで発音に影響することもあった。接着処理が行われていなかった。



いまどきの前歯 ブリッジ症例②:接着技術の向上で歯を削らならないブリッジ(接着ブリッジ)ができる様になった。以前から接着ブリッジはあったが、接着技術の向上でさらに適応症例の範囲が広がり、長期性も向上した。
何が変わって、どうなった? 7つの進化
進化① 接着技術が向上した。
⇒それにより、ブリッジが支えとなる歯へしっかり接着する事、土台となるポストコアがより歯質にしっかり接着する事、それにより脱落や歯根破折が防止され、永続性が向上。また、接着の進化により、接着ブリッジ(歯を削らないブリッジ)が普及した。



ブリッジの装着はすべて進化した接着性レジンセメントで接着処理していく事で、永続性が向上。
参考ページ;ブリッジの寿命、生存率




下顎前歯部に行った、接着ブリッジ。下顎前歯部は力の影響を受けにくい部位で接着ブリッジをとの相性が良い部位である。
進化② ブリッジのフレーム材料が進化した。
⇒メタルフレームからジルコニアフレームへ変わり、メタルを使わないでブリッジ製作が出来る様になり、それによりセラミック チッピングが激減し、透明感のある自然な色調再現性がよくなり、プラーク付着がしずらくなり自浄性が向上した。

ジルコニアフレームはひと昔前のメタルフレームに比べて、プラーク付着がしずらい。
進化③ 抜歯部の歯肉移植術、骨の造成術、抜歯窩保存術のような外科的技術が進歩した。
⇒それにより、空気漏れによる発音問題が改善し、見た目的に疑似性の低い自然観のあるブリッジが出来るようになった。


空気漏れで発音しずらかった、前歯2本分欠損部位に歯肉移植を4回行い、組織を再建した症例。


参考症例:抜歯部位に歯肉移植や抜歯窩保存術を行わず、骨吸収を起こした状態で、ブリッジを仕上げた症例。
進化④ 歯科技工士によるセラミック築盛技術が向上した。
⇒セラミック材料の進化と、歯科技工士によるセラミック築盛技術が磨かれて色調再現性がよくなり、より自然な審美性が表現出来るようになった。


卓越した技工士により、自然な色調に再現された3本ブリッジ症例。
進化⑤ マイクロスコープ、シリコン印象材などの精密治療器具が発達した。
⇒その結果、適合精度が良くなり、さらには永続性の向上した。

精密な形態再現性が可能となったシリコン印象材。
参考ページ:マイクロスコープの歯科治療
進化⑥ どの歯にブリッジを架けるのか、ブリッジデザインが見直しがされた。
⇒無駄に歯を削る事ないような、侵襲性が低下した。



進化⑦ 歯の土台となるポストコア材料が進歩した。
⇒ファイバーポストやチタンポスト、レジンコアなどの材料がより進歩して歯根破折や脱落を防止し、永続性がより向上。



弾性のある、ファイバーポストをレジンコアで歯質と接着し、その後形成して土台として使う。




残存歯質が少ない時に使用する剛性の高いチタンポスト。レジンコアで歯質と接着して、その後形成して土台として使う。
まとめ
技術を含め科学の進歩により、“いまどきのブリッジ”は、より自然な見た目で、より快適な清掃性で、より長期に維持します。今後もこの進歩が止む事はないと思います。
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